ニャゴめし酒場

田舎のアマチュア写真家のたわごと

石見神楽カレンダー1月(2022) 演目「天蓋」

今回はまじめに神楽ネタ、、それも石見神楽カレンダーの1月演目が『天蓋』のため

いつもはストーリー性のある能舞を紹介してるけど、天蓋は儀式舞(採物舞)なので姿勢を正したい

といってもお堅いイメージは近年の石見神楽からは離れつつある その昔、神楽を舞うのは神職のみが認められてた、その昔とは江戸時代前期頃、古事記日本書紀などに基づいた神道色の強い時代

ここらを語ると難しくなるし語れないので詳しく知りたい方は、石見神楽ガイドブックを買って読んでください、自分もこれを参考に勉強してる

江戸時代後期になると神職が積極的に氏子に指導するようになり、儀式舞いは神職、世俗的な舞を氏子が舞うようになる

これに若者たちが加わったことで、神楽の改革をもたらす原動力となった

明治時代には神職演舞禁止令が発動され、神楽を舞うことは庶民のものとなり徐々に芸能要素が濃くなり今のカタチとなった(すごくすご~く簡潔にしてます)

で、天蓋ですが、 (雲とも呼ばれる、舞座の上に四角形に竹を組んだもの)の下に、一尺角位の小天蓋(しょうてんがい)を綱で吊り下げ、これを自由自在に踊らせる曲芸的な神楽です。 人が舞うのではなく、数個(6~7個)の小天蓋を下げ一人で綱を操作して、上下前後左右と自由に操り小天蓋を舞わせる、熟練を要する神楽です。   と浜田の石見神楽公式サイトにある

さらに、

いくつもの小天蓋が上下に動くのを見ていると、不思議な浮遊感を感じるよ。天蓋は宇宙を示していて、森羅万象を表していて、だから自然神に感謝する大元祭で舞われるんだね。 天蓋の重りには、その年の新米を使うんだ。   と見どころも紹介されてる

 

●登場人物

舞人1人

介添1人 ここでの介添は綱が操りやすいように、また小天蓋(木枠と紙飾り)の乱れを直す役割

小天蓋には四辺に農産物や風景などの文様の切り絵紙を貼り付けて垂らしてあり、中央には1~3合の新米を括りつけてある

終了後にこの米をもらってご飯を炊くと母乳がよく出るとも言われています、とガイドにあった

とすると新米が獲れる時期に舞われるめでたい演目なのかな?

●神楽歌

「天蓋の緑の糸の結ぼれは 解けよやもどけ神の心を」 東西南北と中央、五方の神々をそれぞれの小天蓋で清め神の心を静めます。とあった

だから5色、5個なんだね、説明には6~7個とあったけど、、半紙が使われてるようです

動画では動きが早いけど切り絵にも注目してほしい

小天蓋に付ける飾りを長押(なげし)飾りといい、「鳥居」「旭」「波」「野菜」などがある

浜田のこども神楽連携団体どんちっちサポートIWAMIさんの、切り絵体験だって

うらやましい、夢中になれて楽しそうだ

大田の多根大元神楽さんの「三瓶長押飾り切り紙教室」が夏休み期間中に開催されてるんだと

どちらも見事だね、細かくて難しそー、浜田と大田と土地が変わればイメージも変わるね

古くから「魔除け」として使われてきている神聖なものなんだと、これを作る職人もいるんでしょうね、石見では多くの職人が神楽に携わってます

石見神楽は能舞だけが面白いと思ってたら儀式舞も奥が深いね