ニャゴめし酒場

田舎のアマチュア写真家のたわごと

近寄りつつある距離

去年の7月12日に14年間共に過ごしたシャムチがいなくなって、帰るかもと玄関前に置きエサしておくようにしたけど減ることはなく、ノラさえいないのか?この町は、と悲しくもなった

それからちょうど2週間後に初めてなくなって、どこか近場で生息してる猫の存在を感じた

もちろん我が家の愛猫を探し回っては待ったし、残ったエサを遊ばせてるくらいならどこかのノラが食べてくれればいいとも思った

去年の7月は前年と違い消耗するような暑さのなか、捜索やらポスティングやら新聞掲載や近隣のお店等にチラシを貼らせてもらうことに専念し駆け回って疲れ果ててた

そのうち置きエサすれば確実になくなるようになったので、こうなったらどこのどの猫が来て食べてるのか突きとめたくなった

シャムチがいなくなってから4週間後の8月10日を区切りに、自宅から町内300m圏内を最後のポスティングをすると決めて、それまで近寄りがたく伺っていなかった所ももれなく行くと決意し断行

そうしたら、自宅からわずか60m離れた1人しか住んでいないアパートの階段から、小型キジトラがパニくって駆け下りてきてどこかに逃げ去った

はは~ん、ここなら家まで近く誰にも見つかることなく安全に来られるなぁ、建物も丸見えだし

いなくなってちょうど1か月後の8月12日は捜索活動をしようとしても、あいにくの雨が続き探せないし、何もできなくてその瞬間初めて涙が止まらなかった

雨でも置きエサしてると食べに来る猫はいるのに、反対に連日の雨でシャムチがどんどん遠くなっていくようだった

1日中雨が降り続く日もあり進展なし、とうとうあのキジトラも食べに来なくなった

結局10日間強弱のある雨ばかりで、降りそうでいて曇り空の日が間でたった1日ほどあった

そして22日のようやく晴れた朝には玄関ガラスに黒っぽい猫が歩く影が見え、急いで出るとじっくり対面することができ心は逸った

相変わらずビビりでキジネコというより全体に黒いシマで鼻筋が白い模様、ハクビシンのようだった

んん?こいつは、今年1月(去年のこと)雪が積もる日に、シャムチが外に出たがって「あんた今冬だよ、寒いよ!」と、言い聞かせたけどそれでも聞かず出ようとするので「じゃあ一緒に出るわ」と応答すると納得したようで共に出ることに

シャムチが先導し生活道路の脇に雪が積もるなか歩いて付いたのは、自宅2階から見下ろせる隣人家の車庫前

雪が両脇に積もったそこで生後2カ月くらいの1匹の赤ちゃん猫がいて、とっさに「お母さんどこ行ったの?」と問うとダッと慌てて逃げ去った、憶病め…

けれどあぁ、久々にここまで小さい猫見た、、身近にこんな子猫がいたんだなと今までの猫人生で久々に衝撃を覚えた

けど、ゆくゆくは老猫シャムチの脅威になる猫かもなと懸念したものの存在すら忘れてた

いろいろな経緯があって捜索中に鼻筋が白いハクビシンのような模様の猫、これがあの冬1月に見た猫と同一だと思い返された瞬間に記憶が蘇った

・・・今はもう(たぶん死んでしまったかもしれない)再会できないであろう猫シャムチよ…キミが出合わせてくれた子猫だったハクチが、、、成長しておまえの縄張りを制圧しようとしてる

それは外猫の自然なことで界隈の猫たちをどうか管理してほしい、シャムチがそうだったように

メスのシャムチは元は野良で外の経験が3年ほどあり、成り行きにより飼い猫になった

避妊手術後は季節によってはほぼ中にいたけど、縄張り意識は強く外に出ると界隈を制圧してよその猫を寄せ付けなかった、、、それが近場にノラ1匹いなかった証しとなる

14年一緒にいた猫に敵う猫はいない、シャムチがいちばん好き、、ハクチも同様になってほしい

シャムチのことをいつまでも書いてはずっと引きずって、比べる気はないけどハクチも懐こうとしてる雰囲気が最近は強く感じる

もう少し…もう少しで気持ちが伝わるかも あとほんの一歩、、、そんなとこまで来てるとこちらは思ってる、…けれど先は分からない

実はこんなに鮮明にここ1年の記憶を蘇せるのは、あの日から「シャムチがいなくなってから」の日記をワードで書き残してるから、、

今では「ハクチが懐くまで」の日記になってますがね、全てを記してる