ニャゴめし酒場

田舎のアマチュア写真家のたわごと

呪詛がテーマの演目「貴船」

いろいろ神楽演目を紹介してるけど、避けては通れないのが演目『貴船

ひと言でいうと暗く後ろ向きなイメージのストーリー

_呪詛をテーマにしているという理由で、明治以来上演を禁じられた時期もあるといい、上演を控える社中もあり、保持社中は多くありません。_とある   浜田の石見神楽ガイドブック参照

神と鬼の戦い、正義と悪の争い、単純なそれが本来の石見神楽の在り方だけど、貴船だけは異質

怖~い印象で舞う人もそれを意識してか怖がらせる

最近はユーチューブ等での動画はめっきり減った気がする

浜田市石見神楽公式サイトでも以前は貴船情報が載ってたような気がするけど、調べようとして見ると貴船だけ見つからなくなってた

ブックにはあるのにネット上にはないって、、よっぽど何か強い力が加わったのか?

なのでここで逆にオープンに伝えたくなった

■ストーリーは

・京都の下京辺りに住んでいた貧しい家の妻が、訳もなく離別させられた事を恨み、貴船神社に参籠して一念化生の鬼女となり、恨みを報いんとする。

一方夫の方は毎夜悪夢ばかりを見ており、安部の晴明公に悪夢の転じを依頼した処茅がやで人身大の人形を作り、七五三(しのめ)を張り、幣を立てる様にすれば安心」と教えられた。夫が教えられた通りにすると、ある夜鬼女が出て来て人形を夫と思ひ、生命を取らんと打ち打つする。呪いの舞である。    益田市観光ガイドより

益田市の説明はちと難しい ・もしくは、益田市で一番好きな団体の久城社中は

その昔、京都で起こった離婚騒動を神楽化したものである。夫に離別された女が恨みを抱き、この夫を苦しめようと貴布禰明神に願掛けをしていた。恨みに満ちた女は祈願の末、鬼女となっていた。夫は毎晩のように悪夢に悩まされて安部清明(祈祷師)に相談する。その原因が妻の怨念であることを知り、身代わりの人形を用意する。女はその人形を夫だと思い込んで恨みをぶつける。   演目紹介よりこの社中では貴布禰(きふね)と書く

・浜田の神楽ガイドブックでは 能「金輪」をもとにしたものです。このテーマは「呪い」であり、貴船は京都「貴船神社」に由来します。京都の下京に住む夫婦の夫が他の女に心を移して妻を離縁します。

捨てられた女が恨みを込めて貴船神社に参拝したところ、貴船神社のお告げによって鬼女となり、夫に復讐しようとします。夫は安倍晴明という陰陽師に相談し、身代りの藁人形を得て、鬼女から逃れます。鬼女は鬼となって夫を襲いますが、藁人形をつかみ虚空へと消えていきます。

この舞いは他の鬼舞いとは違い、鬼退治という形ではありません。大体、丑三つ時に行うものとされています。と記載されてる

書いてるとどんどん怖くなってきた、、、振り返れば後ろには……目には見えない何かが…!いるかもしれない、なんてね

浜田では貴船がタブー視されてるのに、あえてやるのが平成元年に誕生した怖いもの知らず?の亀山社中によるもの ←ちょっと言い過ぎ

■登場人物(あくまでも個人的見解です)

女(鬼女) 最初は美しい姿で出てきて途中から頭にロウソク付け、面の早変わりアリ

男(女のダンナ) 女からするとサイテーな男

安倍晴明 立派な陰陽師のくせに男の味方をするような女の敵、黒っぽい装束

三吉 いてもいなくてもどうでいい存在、晴明のアシスタント

もうこれは現代の男女の関係にも通ずるものを感じ、当時なら女の方が弱くかわいそうに思える

古典に近い歴史ある演目と思うのですがね、問題作だ

特に女子に見てもらいたい舞い、呪詛がどうこうはどうでもよくなってきた

男の身勝手さを表してるので特に女子には見てほしい、男はどうせ心当たりがあるので自分を罰し反省するがいい ←個人の経験とは無関係

■神楽歌

からすみの 燃え立つほどに思えども 煙立たねば印とぞなし

↑これの解説は不明だけど、からすみ色=深いオレンジ色から茶褐色、たらこや明太子のように透明感はなく、墨っぽい色をしたものもありますとあったので、女の情念がそんなふうに燃えようが煙が立たないので意味がないという意味、自分なりに検索して解釈して繋いでみた、違うかも? それだけ貴船はシークレットな雰囲気があり不可解、誰も語らん、ツウの人解明してくれ