ニャゴめし酒場

田舎のアマチュア写真家のたわごと

土江子ども神楽団 ドイツ公演

今月の石見神楽カレンダー2月『八幡』はすでに紹介済みなので、今回は子供神楽の紹介

石見の神楽は大人だけのものではなく、子供のみが舞い、奏楽も務める子供神楽団体がある(神楽歌は大人) これは珍しいことではない

神楽を継承する目的で子供の頃から触れたり、ただ好きでやりたい者が集った結果のこと

お父さんやお爺さんがやってるから自分もやりたいという子がいるし、伝統芸能なので日常の中に触れる機会があるし伝統を繋ぐことは当たり前のこと

石見という土地は、ただノホホンと生きてる私らつまらん万人とは違う思想や感情が底辺にある

神の存在がすぐ隣にあるとか、常に崇めてるとか、、、もちろん万人も大勢いるけど

いろいろ神楽団体を見てきて思った、、、お金も貰えないし時間も拘束されるし疲れるし‥‥‥何であんたらは舞うの?歌うの?裏方にいるの??と問うたら、まず「好きだから」と返ってくる

ホントに団体の人を見てると誇りを持ってるし一生懸命だし、到底マネできない一貫したエネルギーを感じる(大酒飲みだったりギャンブル好きもいるだろうけど)

みんないい意味で神楽馬鹿だ、懸命な姿を見てこちらもバカになる、、、踊る阿呆に見る阿呆の世界、だから魅了されてしまうんだろうな

今回は島根県大田市の「土江子ども神楽団」がドイツで公演(2016年)した時のもの

神楽ネタをブログでやろうと思った時にぜひ紹介したかった動画、子供時代に団員みんなで日本の神楽を引っ提げて外国に行けるなんてすばらしい体験でうらやましく思う

 

決して子供は強制されてやってるんじゃなく、好きなので楽しくてやってる、はるか遠いところで使命とかも感じてるんじゃないかと‥‥‥あっ、だから神が近いのかぁ

スタッフの親や大人も厳しい運動部ノリに大変だぁ

物語りは恵比寿さんと大国さんの鯛釣りの掴みの演目から始まって、撒き餌として福飴を蒔いて子供が釣られてる、ドイツの子もどこの子も一緒だ

続いて二神二鬼の塵輪、これの鬼の衣装は子供でも100万弱はしてるよ、重量があるので激しく舞う前には脱いでる

けど27:00頃から「肩切り」と呼ばれる上半身の身頃がパラリとめくれる仕掛けを着込んでるので、さぞ重たかっただろうな

神も水干と呼ばれる豪華な刺繍の衣装に、戦う際は鎧を付けてるのでこちらも重い

途中で鬼が舞台を下りて客席を回るんだけど、見てるのも子供、鬼として怖がらせてるのも子供、となると何だろな複雑な心境だ

塵輪が神と鬼の戦いだと分かったのかラストで拍手が来るけど、面を外した子供の姿を見たら仰天だったろうな、幼すぎて

舞いも奏楽も衣装も手を抜かず金もかかるし労力も掛かってるけど、その辺がドイツ人に伝わったんかいな?

多少の感動や衝撃みたいなのはあったようで、客がどんどん食いつき気味になってきてますな

トリは大蛇、だいたいどの舞台でもコレだ、1大蛇は一人の人間で操ってます、子供でもね

ドイツ人にも理解して楽しんでもらえたかな?

どうやらこの地での催しはジャパンフェスみたいな、外国ではよくあるジャパンウィークみたいな日本文化に親しむ的な関係のもの?

この神楽団は11年前にもドイツでやってる、子供も慣れたもんで…と聞いたりする

どの子供神楽も高校生まで、それ以降はそれぞれの進路や大人と交わって続ける子もいる

伝統の継承として石見神楽は安泰だな、、とも言いきけれないけど、このような素晴らしい文化は続いていってほしいし消滅しないでほしい

目下、このような試みをコロナが妨げてるので、石見神楽は永遠に続きウイルスだけが消え去ることを願う、疫病退散!

 

土江子ども神楽団が保持するオリジナルの演目

子供神楽でも原作があるなんて石見はケタが違う、すごいなぁ

金山姫銀山勧請(かなやまひめぎんざんかんじょう)←大田は石見銀山がある場所にちなみ

銀をめぐって魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)し、争いの絶えることのない石見銀山の平和と安寧を願った時の支配者 大内氏は、大蔵大輔に西国から鉱山の神 金山姫命・金山彦命を勧請し、石見銀山の守り神として佐比売山神社を建立することを命じる。大蔵大輔は、物部神社に道中の無事を祈願すると2人の金山師と7つの神宝を授かり、狩人の翁と媼に化けた大山蛇や鬼神と激闘の末に退治し、無事に石見銀山に佐比売山神社を建立する物語です。   と島根県大田市の石見神楽にある

跋扈=ほしいままに行動すること。悪人などがのさばり、はびこること。

勧請=神仏の来臨や神託を祈り願うこと。   どれも表現がムズイです、年寄りの解説かな?